ある広告関係の本を読んでいたら、申し込みボタン(購入ボタン)は緑色にすべき、という記述があった。
その人は、広告業界で、大手の企業をコンサルしている人であり、きちんとした結果を出している人だという。
その人によれば、申し込みボタンを「赤色」にすると、読み手は「ストップ」というイメージを読み取ってしまい、かえってボタンをクリックしなくなるのだそうだ。(A/Bテストの結果)
その反対に、申し込みボタンが「緑色」だと、読み手は「進め」の合図と思って、クリックしてくれるとのこと。
結論からいえば、ナンセンスだ。
たしかに信号機は、「赤はストップ」であり「緑(青)は進め」だろう。
ただ、信号機と広告(LP)では、文脈が違う。
「赤はストップ」「緑(青)は進め」というのは、ある意味、信号機にのみ通用する話だ。
それ以外の文脈において、人は、そのようには解釈しない。
たとえば、本屋で「赤い本」を手に取った人は、その色から「本を開くな」あるいは「レジに持っていくな」…という禁止のイメージを、そこから受け取るのか?
違うだろう。
むしろ、本の色が赤いことで、アイキャッチ効果が出るし、感情が刺激される。
それは飲食店や商品パッケージでも実証済みだ。
飲食店にしても、店舗に「赤色」を多用しているところは多いと思うが、だからといってお客は、その色から「店に入るな!」というメッセージは受け取らない。
むしろ、食欲が刺激されて、入店数が増えるだろう。
LPでも、それと同じことがいえる。
LPで申し込みボタンを「赤色」にすれば、読み手は「感情が刺激」されて、クリック率がアップするのだ。それは間違いない。
では、なぜ、先の著者は「申し込みボタンを緑色にすると、クリック率が上がった」と言ったのか?
それは、きっと、そのLPでは訴求しようとするあまり「赤系統の色」を多用していたからではないのか?
だから、申し込みボタンを「緑色」にすることで、緑色のボタンが目立つようになった。
その結果、クリック率が上がった…ということではないだろうか。
よって、もしもLP全体が、白黒の基調だったり、青系統だったりした場合は、むしろ赤い購入ボタンのほうが断然、目立つはずだ。
以上のように、「なぜ、その結果が生じたのか」という分析において、人は誤って認識してしまうことがある。
そうなると、応用範囲が狭まってしまうことになるのだ。
広告の第一人者が言っているからといって、それを鵜呑みにしてはいけない、ということだ。
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